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Googleストリートビューは問題だなぁ

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2008年 10月 25日

「ストリートビューというサービス開始の日ー爆発的に増殖する深刻な問題を見つめて」(22)

「ストリートビューというサービス開始の日ー爆発的に増殖する深刻な問題を見つめて」(22):北口学

「ストリートビュー問題大阪シンポジウム」
 ープライバシー・人権・ネット時代
     Googleストリートビューが問い掛けるものー
 10月27日月曜日 大阪・梅田にて
 いよいよ開催が近づいてきました。
 東京新聞10月16日に大きく報道された記事を見せてもらいに訪問した茨木市役所。「Google社からのお電話の対話の中で、Google社の方もぜひいらっしゃったらどうですか?」とお誘い下さったそうでありがたいことです。「えっ!?私たちが行ってもいいのですか?」とのGoogle社の方のお返事だったとか。Google社のご担当の方、どうぞどうぞいらっしゃってくださいね。私たちはとても優しく、いろんな対話をぜひとも思っていますし、中村信彦市議もいらっしゃいますし。

 Google社だけを指弾しようとかつるし上げるとかありえませんし、ともに智恵を出し合うってのがいいかもしれませんね。特に地図を供給している「ゼンリン」という地図会社の方ともじっくり話す必要がありそうですね。
 ネット上でのサービスですから多様なサイトで活用されたり人権侵害やプライバシー暴露、差別などに活用されている現状は幅広い対応を必要とする案件ですからシンポジュウムタイトルも「goggleストリートビューが問掛けるもの」という副題が付いているわけです。

 この数日、新しい動きは無料ソフトでストリートビューと地図を並列させて表示していくつかの機能を付加したビューアーのようなソフトが配布され始めたこと、フランスで限定的ながら数都市でサービス開始されたことでしょうか?前述のソフトはまだ試していませんが差別などへの悪用がなければいいのにという心配が広がります。

shiganet、Google ストリートビュー対応の投稿型地図サービス
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081024-00000055-imp-sci
「shiganetは、Googleの地図サービス「Google マップ」およびストリートビュー機能を利用し、ユーザーがルート案内や掲示板を作成・公開できるソーシャルマップサービス「Navitte!」を10月24日に開始した。利用は無料・・(中略)・・今後の展開として、現在Twitterのみに対応している更新通知機能の他サービスへの拡充やモバイル対応、ブログパーツの提供などを予定」

 フランスの新たにサービス開始された都市の画像をちらりと見たところ、当初アメリカ本土で初めてサービスを開始したころの画像と大きく変容していることに驚かされました。
 サンフランシスコやニューヨークで初めて開始された頃の撮影はできるだけ人や車が写り込まないようにと早朝などに撮影車を走らせている様子でした。観光客でごった返しているはずのサンフランシスコ海岸地域の有名なカニ料理レストランなどは開店前の景色でがらんとした光景、大渋滞しているはずのマンハッタンのメインストリートも車がスムーズに走れる空いた道路状況で歩道を歩く人影もまばらだったわけです。
 ところが今回のフランスの新たなサービス開始地域の画像には車もいっぱい、歩道上にはりだしたカフェテリアでくつろいでお茶を飲む人々や車、通行人がいっぱい写っているのにびっくりです。
 Google社は自社サービスへの風当たりや批評の動向をうけ、「顔やナンバープレートをぼかすシステムを投入もした」という言い分(この対応も不十分と批判が多く表明されている)もあるのでしょうが、最初に行なっていた撮影時間や車の少ない、通行人の少ない時間帯の撮影という配慮も捨て去ってしまったようです。
 新たに公開されたフランスの都市のそのようなありさまとサンフランシスコの画像を比較してみようと、改めて米国で初めてサービス開始した都市の地点、同じ場所を探してみてびっくり!!!画像がアップデートされていてカニ料理の店も営業中、人も車もいっぱいなのです。
 世評や社会の反応を見ながら(周知されていなのだから苦情はまだ少ないのに!)多くの声に全く聞く耳を持たずどんどん自己都合で進めていくと信じられない思いでいる人も少なくないのではないかな?
 プライバシーや人権に対する配慮や対応は不十分でネット全体の動きや活用のされ方はさらに深刻さや批判も増え、サービスを開始していない国からも懸念の声が多々上がっているというのに・・・・。

 Googleストリートビューを巡る行政の動きは今後活発化してきそうですね。茨木市議会の質疑答弁(詳細は下記HP) http://jnetmore.blog50.fc2.com/blog-entry-132.html#comment45
 上記をうけて市人権部長さんのご答弁の中に出て参りました大阪府市長会が10月10日11日に開催されたようでございます。茨木市からの説明に、このサービスを既に知っていたという市町村は数える程しかなかった様子です。人権問題に専門的に関わる各市町村の担当の方々ですらサービス開始から2カ月も経過しているのに知られていないサービスですから、自分の画像や自宅をネット上で公開されていることすらご存知ない方が膨大に存在されるという事なのかもしれません。市町村長会の動きをうけて大阪府もなんらかの対応を迫られる事になると思えます。市は「一市だけでは・・・府が決めないと・・・。」、府や都道府県は「国が・・・」となって行くのではないでしょうか?
 多くの人々に存在やサービス内容が知れ渡ってゆくと多くのクレームがさらに増加してくると思えます。

 世界の多様な情報もネットで見受けられます。
 サービス開始がされていないニュージーランドでも先住民族のマオリ民族の人が懸念や恐怖を語り始めています。
●ニュージーランドの先住民族の懸念
http://www.taiuru.maori.nz/blog/labels/privacey.html
 カナダではプライバシー法関連の政府関係者のコメントや女性に対する暴力やシェルターとの関連の危惧の報道が。
カナダのプライバシー法
連邦のPrivacy Commissionerジェニファー・ストダート
http://www.mathewingram.com/work/2007/09/12/google-welcome-to-privacy-20/
ほかにも子どもの安全を気づかう母親やプライバシー法との抵触でサービス開始はできないという論調が多くみられます(現在もサービスはされていない)。
Canadian official says Google Maps might breach privacy law
No pix please, we're Canadian
By Egan Orion: Thursday, 13 September 2007, 1:42 PM
http://www.theinquirer.net/en/inquirer/news/2007/09/13/canadian-official-says-google-maps-might-breach-privacy-law

Google Street View Might Violate Canadian Privacy Law
http://searchengineland.com/google-street-view-might-violate-canadian-privacy-law-12155.php

Google Street Pics May Violate Canadian Privacy Law -- Updated
http://blog.wired.com/27bstroke6/2007/09/do-google-stree.html

Canadian Privacy Law Blog
aturday, October 11, 2008
Take Pittsburgh off Google Street View. Think of the children!
This blog is familiar with previous privacy issues raised by Google's
street view (see: posts tagged "google street view"), but this seems a
little over the top. A group is calling for the removal of Pittsburgh from
Google street view because predators could use it to locate schools,
playgrounds and other places where children might congregate. Hmm. I guess
there's no other way of getting that information.
See: Children's safety group wants city off of Google's Street View
http://www.privacylawyer.ca/blog/labels/google%20street%20view.html

Google street view may be illegal: Canada
Privacy commissioner concerned about new application
Last Updated: Wednesday, September 12, 2007 | 12:34 AM ET
http://www.cbc.ca/canada/story/2007/09/11/streetview-commissioner-privacy.html
 EU各国でも多くの議論や地方自治体の規制の動きがあるようです。
●EU
EU Raises Privacy Issue for Google Street View
http://www.pcworld.com/businesscenter/article/145927/eu_raises_privacy_issue_for_google_street_view.html
Europe's data protection supervisor, Peter Hustinx, urged Google Thursday
to respect local privacy rules as it prepares to launch its Street View
function this side of the Atlantic.

E.U. Raises Privacy Concerns Over Google's Street View Maps
http://www.webmasterworld.com/goog/3650724.htm

EU raises privacy aspects of Google deal
Seach engine claims parliamentarians are "shoehorning" privacy debate into
competition review
Written by Tom Young
Computing, 22 Jan 2008
http://www.computing.co.uk/computing/news/2207757/meps-drag-privacy-eu-review

EU mulls new measures to protect privacy on the Web
http://www.euractiv.com/en/infosociety/eu-mulls-new-measures-protect-privacy-web/article-170156
7 Feb 2008 ... will examine the issue and possibly approve an opinion on
privacy and search engines. The debate raised by the proposed merger
between two of the biggest Internet data controllers, Google and
DoubleClick,
 英国でも活発にメディアが論評しておりサービス開始はまだされていないですね。
●UK
Google's Street View Faces Roadblock in UK, Privacy Again the Focal Point
http://www.maximumpc.com/article/news/googles_street_view_faces_roadblock_uk_privacy_again_focal_point

 3,4年前からGoogle社というのは私にとっては有る意味敬意をモっていた会社ではありました。その強大な影響力や文化を集積・デジタル化してゆきアメリカ(NY市立図書館、コロンビア大学図書館)や日本の大学の図書館(慶応大学)などの知的遺産(すべての図書館所蔵書籍・古文書など)をデジタル化して公開してゆく作業などにどぎもを抜かれたわけで、Google社を好意的に扱った一昨年度の大ベストセラー梅田望夫著「ウエブ進化論」(文春新書)は薄い新書本でしたが、明日のネット時代の市民活動や文化教育啓発へのアイデアが満載のすごい画期的な本でありました。これは必読の一冊だと今でも思っています。Google社というものの全体像と可能性を知り、Google社と向き合うためのお奨めの一冊ではあったわけです。
 ネットの影響力は今後さらに加速すると思われます。氾濫するネット情報と活用する人々の増加をにらんで、「Google社が日本の、アジア・太平洋地域の人権情報の発信や多様な市民活動に留意したり支援、協力関係を構築して行ってくれないか?人権を重視する米国企業なのだから。」という期待が私の中にあります。その一冊をぜひ読んでいただけしたらと思っております。
 情報デジタル化の時代、今回のことを契機としてGoogle社が人権擁護社会実現のための多様な働きを開始することが私の夢かなぁ。しかし、多様な地域の文化、人権への配慮は後退してるんじゃないかと・・・・。


   ※   ※   ※

●ストリートビュー問題 資料など
自治体可決意見書一覧(1)
http://nostreet.exblog.jp/10335072/
すぐ読んでみる

自治体可決意見書一覧(2)
http://nostreet.exblog.jp/10335103/
すぐ読んでみる

自治体可決意見書一覧(3)
http://nostreet.exblog.jp/10398189/
すぐ読んでみる

40回目までの過去の連載内容の一覧
http://nostreet.exblog.jp/10564889/
すぐ読んでみる

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 この連載は「ジャーナリスト・ネット」にて連載中
 http://www.journalist-net.com/
 ぜひ上記「Jounalist-Net」もご訪問下さいませ♪
ちょっと訪問してみる

by hrosaka056 | 2008-10-25 17:24


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